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― 年金迷宮 ― 令和3年提出の障害状態確認届について令和3年提出の障害状態確認届について
令和3年提出の障害状態確認届(診断書)について
障害年金を受給されている場合、受給中の障害年金の等級に変更の必要がないかを確認するための障害状態確認届(診断書)が年金機構から送付されます。(症状固定とされた受給者には送付されません)
令和3年提出分の障害状態確認届につきましては、特別な取り扱いがありました。
今回は、その取り扱いについてみていきます。
なぜ特別な取り扱い?
令和3年の障害状態確認届は、コロナ禍で緊急事態宣言などにより、診断書作成のために病院へ行くのは避けたいとか、診断書を提出期限までに書いてもらえない・・・などということも有り得るとして特例措置が設けられていました。
通常は、提出期限までに診断書を提出しないと年金の支給が一時差し止められたり、提出した診断書の状態により、現在の等級に該当しないと判断されると減額や支給停止という変更がなされますが、その変更について先延ばしをしてくれるというものです。
特別な取り扱い ①提出期限の延長
通常の提出期限は誕生日の末日までとなっておりますが、令和3年については次のとおり提出期限が延長されていました。
提出期限が令和3年2月末日の方⇒令和3年11月末日まで延長
提出期限が令和3年3月末日から令和3年11月末日までの方⇒令和3年12月末日まで延長
この提出期限延長の特例は令和3年12月末日まででしたので、対象の方については提出済みだと思います。
もし、それぞれの延長の提出期限までに障害状態確認届の提出がない場合、令和4年2月の支給から障害年金が差し止められます。
特別な取り扱い ②障害状態が軽快した場合の等級変更の猶予
提出期限が令和3年2月末日までの方
障害の状態が軽快した場合でも、令和4年6月分までは等級変更せず、引き続き同じ等級で年金が支給されます。
令和4年7月分から等級変更され、減額または不該当となります。この減額または不該当になる方について、障害状態確認届を提出した後に、再び状態が悪化した場合には、現在の診断書(確認用診断書)を提出することにより、令和4年7月分以降について、あらためて診査して判断されます。
※対象者の方には『令和3年の障害状態確認届(診断書)に関するお知らせ』が届いていますので、再度診断書を提出するか検討してください。
再度提出する場合の診断書提出期限⇒令和4年3月末日
・再提出の診断書で増額変更される場合⇒令和4年4月分から増額
・再提出の診断書でも減額または支給停止される場合⇒当初の予定通り令和4年7月分から減額または支給停止
提出期限が令和3年3月末日から令和3年11月末日までの方
障害の状態が軽快した場合でも、令和4年7月分までは等級変更せず、引き続き同じ等級で年金が支給されます。
令和4年8月分から等級変更され、減額または不該当となります。この減額または不該当になる方について、障害状態確認届を提出した後に、再び状態が悪化した場合には、現在の診断書(確認用診断書)を提出することにより、令和4年8月分以降について、あらためて診査して判断されます。
※対象者の方には『令和3年の障害状態確認届(診断書)に関するお知らせ』が届いていますので、再度診断書を提出するか検討してください。
再度提出する場合の診断書提出期限⇒令和4年4月末日
・再提出の診断書で増額変更される場合⇒令和4年5月分から増額
・再提出の診断書でも減額または支給停止される場合⇒当初の予定通り令和4年8月分から減額または支給停止
令和3年の障害状態確認届で増額変更される方
障害の状態が悪化して年金額が増額される方については、延長前の診断書提出期限の翌月から増額されます
令和3年の障害状態確認届で状態に変更がない方
現在受給中の年金額に変更はありません。
まとめ
障害状態確認届の提出期限が
①令和3年2月末日の方
②令和3年3月末日から令和3年11月末日までの方
について、特例措置が終了後の障害年金受給についてみてきました。
障害の状態が変わらない、あるいは悪化したと判断された方は、手続きすることはありません。
注意が必要なのは軽快したと判断された方です。令和4年7月分または8月分から減額や不該当となる対象者には、先ほどお示しした『令和3年の障害状態確認届(診断書)に関するお知らせ』が年金機構より届きます。
令和3年に提出した診断書より状態が悪い場合は、今回のお知らせによる診断書の再提出をご検討ください。
実際に減額支給されたり、不該当で支給停止となったりした後に、
これはどういうこと?という相談がよくあります。
こんな事になるなんて知らなかった!通知も見ていないからわからなかった!
とならないようにお気をつけください。